「髪をすいてください」で髪がペラペラになるカットの失敗はこうなるからです

「髪をすいてください」で髪がペラペラになるカットの失敗
神戸市垂水区にある美容室ARCHE(アルシュ)
ハナヘナとカット大好き美容師カンザキです♪
髪で悩む大人の女性を美しくします!
天然100%ヘナのことを知りたい、
くせ毛の悩みはどうしようなど
ぜひご相談ください。

お客さまからのオーダーでよく「髪をすいてください」ってオーダーを言われることがあるのですが、「髪をすく」と髪はこうなっているのだと知っていますか?

目次

「髪をすく」時に使われる「すきバサミ」のこと知っていますか?

「髪をすく」ってどういうことって知っていますか?

「髪をすく」時に使われる美容師の道具。

それが「すきバサミ」

まさしく「すく」って言葉が入っている道具です。

*これはカンザキの「すきバサミ」です。

「すきバサミ」を見ると刃に特徴があるのがわかります。

そう!

このギザギザの刃です。

「すきバサミ(セニングシザー)」はこの刃のギザギザ部分の形状で、どれくらい髪の量を切るのか?が調節されています。

10%

20%

30%

と刃の形状によって1回の開閉で髪の量がどれくらい切れるのかが決まっているんです。

10%の「すきバサミ」でしたら、髪を1回開閉したら約10%の髪の量が切れます。

*10%と言っても髪の量は人それぞれですから厳密に10%の髪の量が減るわけではありません。
あくまで目安だと僕は思っています。(10%だったら少ししかすけないんだな〜って感じ)

ちなみに

カンザキのすきバサミはここ刃に細かい溝があって、その溝1つで1本の髪を拾って切れるようになっています。

見た目は刃が大きくてめっちゃ切れるように思いますが、実はそれほど髪の量は切れないハサミです。

「髪をすく」ってどういうこと?

そんな「すきバサミ」ですが

10%しか切れない「すきバサミ」で髪を何回もカットした場合にどうなると思いますか?

1つの毛束を10%の髪の量を切れる「すきバサミ」で根元から毛先に向かって3回開閉した場合

根元付近は10%

中間は10%+10%=20%

毛先は10%+10%+10%=30%

髪の量が減るってことです。

赤い線が1回の開閉だとしたら3回毛先に向かってすきバサミでカットするとこんなイメージです。

毛先は30%減るんです!

これって・・・

「すきバサミ」で何回も繰り返しカットしたら、毛先がペラペラになるにも納得ですよね。

これが20%切れる「すきバサミ」だったら・・・

30%切れる「すきバサミ」だったら・・・

毛先がヤバイことになることは、容易に想像できると思います。

ここで「髪をすく」ってことの一番の問題点に気づいた人もいると思いますが、髪をすいてもお客さまの髪の悩みは解消されないってことです。

髪をすいてもお客さまの髪の悩みは変わらないんです

お客さまからの「髪をすいて欲しい」と言うオーダーを聞いた時に

しっかりと話を聞くと多くのお客さまが気になっているのは

  • 大きく膨らむ(広がる)髪のシルエットだったり
  • 頭が大きく見えることだったり
  • 指を通した時の根元の量だったり
  • 髪が伸びて重なって膨らんでいる部分だったり

して

毛先の髪の量を気にしている人は少ないってことです。

でも、「すきバサミ」でカットされて量が減るのは毛先なんです。

肝心の根元の髪の量は減りません。

もし、根元の髪の量を減らそうと頭皮ギリギリで「すきバサミ」でカットしたら、切った時は良いですが、伸びてきた短い髪が内側から髪を押し上げることで、髪が膨らんで頭が大きく見える、広がるって状態になってしまいます。

ですから、「すきバサミ」は根元からはカットしないのがセオリーなんです。

「すきバサミ」でカットをするのは

「髪をすく」「髪の量を減らす」のが目的ではなく、ヘアスタイルを作る上で邪魔な髪を削るのが目的なんです。

ここを勘違いしているお客さまと

勘違いしたオーダーをそのまま受け取る美容師がいるから

いつまで経っても髪をすかれ過ぎてペラペラ、スカスカになって悩んでいるお客さまが減らないんです。

お客さまは髪の素人ですから仕方がないですが

美容師は髪のプロですから仕方がないではすまされません!

ちゃんと勉強して、知識を持って、お客さまの髪を扱って欲しいです。

もし髪の量をすいたことで扱いやすい髪型になったとしても

それは一時的なこと

ちゃんとカットされていない髪は落ち着きが悪く

少し髪が伸びただけで収まりが悪く、髪がまとまらなくなります。

ただ髪の量を減らしただけですからそれは当然なんです。

まとめると

「髪をすいてください」で髪がペラペラになるカットの失敗はなぜ起こるのか?

わかっていただけましたか?

「すきバサミ」は便利な道具ですが、髪の量をすく目的はヘアスタイルを作るためであって

髪の量を減らすためではないんです。

やりたいヘアスタイルがあって

そのヘアスタイルを創るために邪魔な髪を削り取る。

そんな時に使うのは「すきバサミ」なんです。

実際カンザキは、ほとんど「すきバサミ」は使いません。
*メンズのカットでは使います

髪を軽くしたかったらカット(レイヤー)をすれば済みますし、その方がヘアスタイルの持ちがいいからです。

安易な「髪をすいてください」はカットの失敗をされるリスクが高くなりますから、危険なんですよ。




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