ハナヘナとカット大好き美容師カンザキです♪
髪で悩む大人の女性を美しくします!
天然100%ヘナのことを知りたい、
くせ毛の悩みはどうしようなど
ぜひご相談ください。
何日か前に
こんな記事を書きました。
一部マニアックな美容師さんからは感想までいただき、本当に嬉しかったんですけど
興味ない人はスルーでしたねw
でも
天然ヘナでなぜ髪が染まるのか?
を考えたときに
こういうことも知っておくことで
困っているお客さまの役にたてると思っています。
そんなわけで今回は
インディゴで白髪染めをしたときに赤紫になる問題!これについて書こうと思います。
インディゴで染めたのになんで赤紫なの?
インディゴで白髪を染めると、染めたてはグリーンに染まっていますが2〜3日かけてブラウンに変わっていきます。
これは空気に触れて酸化することで発色するインディゴ特有の染まり方なんです。
でもまれにブラウンにならずに
赤紫になる方がいます!
たぶん染まった本人が一番ビックリされるはずっ!
簡単に書くと
インディゴの発色には水
つまり水分がとても重要なんです。
髪が濡れている状態で発色が進むインディゴ。
乾いてしまうと発色が止まります。
髪が濡れている時間、このことを【さらし時間】と呼んでいます。
このさらし時間をしっかりと作ることが、インディゴで染める時には重要なんです。
ではなぜ水分が必要なのか書いていきましょう。
インディゴの染まり方の違い
この写真を見てください。
向かって左はブルー
右は赤紫ですよね。
これ
同じインディゴを使って
同じ白い毛束を
同じ条件で染めた実験結果です。
左はブルー(アッシュ)
右は赤紫
同じ方法で染めたようには、とても見えませんね。
このキーポイントが水分なんです!
インディゴが何故赤紫に染まるのか?
まずはこの図を見て覚えてください!
これめちゃめちゃわかりやすくて、ステキって思わずガッツポーズでした!
インディゴの染まりを簡単に説明しますね。
わからない人はこの記事をよく読んでください!
⇩
インジカンを加水分解してインドキシルとグルコースに分かれます。
化学式はこれでしたね
インジカン C14H17NO6 + 加水分解 H2O
⇨インドキシル C8H7NO + グルコース C6H12O6
そのインドキシルは酸素の働き(酸化)で、分子が2つ結合し水に溶けないインディゴになるんです。
化学式で書くとこれですよね
インドキシル 2C8H7NO + 酸化 O2
⇨インディゴ C16H10N2O2 + 水 2H2O
この酸素の働き(酸化)の時に【さらし時間】という髪が濡れた状態で染まっている時間が長くないと
インドキシルが1つの分子のままで酸化しイサチンという分子を生成します。
イサチン
C8H5NO2
1H-インドール-2,3-ジオン(1H-indole-2,3-dione)
イサチンとインドキシルの結合でインジルビンに
本来ならインドキシルはしっかりと酸化して2つの分子が結合しインディゴになるはずが、水を含む時間が短いとイサチンとインドキシルが結合しインジルビルになるんです。
このインジルビンの色素が赤紫なんです。
これわかりやすいです!
インジルビン(赤)は、インジゴの異性体で、分子式は全く同じだが原子のつながり方が異なる分子のことである。
インドキシルが単分子的に酸化されてイサチンが出来ると、未酸化のインドキシルと結合してインジルビンができる。
紫色は、このインジゴとインジルビンが混ざった色で単一の紫の色素ではない。赤味の紫になるか青味の紫になるかは、インドキシルから、二方向の酸化のどちらが起こりやすいかによって決まる。
インドキシルからインジルビンを多く生成させる条件は、ph10~12のアルカリ性条件や,高温が好ましい。
牛田智 「生葉染色の化学的な観察とその実際方法 藍の生葉染めによる絹の紫染め」 染色@No225,p64~67(1999)より
インジルビン
C16H10N2O2
最後に
とにかく簡単に言うと
インディゴで青に発色するには
水分が大事ということ!
水分を含んだ『さらし時間』をしっかりと作ることが
よりキレイな染まりになるんですよ